1. Zoteroのセットアップと文献収集 [0]

Zoteroを効率的に利用するためには、まずアプリケーションとコネクタをダウンロードし、設定を最適化した上で、ウェブ上の文献を簡単に収集する方法を理解することが重要である。

1.1. Zoteroのダウンロードと初期設定 [0]

  1. Zoteroのダウンロード [0]
    1. Zoteroを使用するには、まずzotero.orgからアプリケーションとブラウザコネクタの両方をダウンロードする必要がある [0]。
    2. アプリケーションはハードドライブにダウンロードされ、ファイルを保存する役割を担う [5]。
    3. コネクタは、インターネットで見つけた研究情報をZoteroアプリケーションに取り込むための橋渡しをする [6]。
  2. 効率的な利用のための設定 [8]
    1. アプリケーションを開き、「Edit」メニューから「Preferences」を選択して設定画面を開く [9]。
    2. 「Sync」タブでZotero.orgの無料アカウントにログイン情報を入力すると、引用文献やPDFなどの添付ファイルをZoteroのクラウドサーバーに同期できる [12]。
    3. これにより、コンピュータに何かあった場合のバックアップになり、複数のデバイス間での同期も可能になる [14]。
    4. 「Cite」タブでは、必要な引用スタイルを追加できる [17]。
      1. デフォルトでAPA、MLA、Chicagoなどの基本的なスタイルが用意されているが、「Get Additional Styles」リンクからさらに多くのスタイルをオンラインで検索し追加できる [19]。

1.2. 文献の整理と収集方法 [24]

  1. コレクション(フォルダ)の作成 [24]
    1. 文献収集を始める前に、プロジェクトごとに新しいフォルダ(コレクション)を作成することが推奨される [24]。
    2. アプリケーション左上の「New Collection」ボタンをクリックし、フォルダに名前を付けて作成する [25]。
    3. フォルダに保存されたアイテムは、自動的にマスターライブラリにも追加される [29]。
    4. アイテムを直接ライブラリに保存することも可能だが、整理のために個別のフォルダ設定が推奨される [30]。
  2. オンラインからの文献収集 [32]
    1. Zoteroデスクトップアプリケーションはバックグラウンドで実行したまま、ウェブブラウザで文献を検索する [31]。
    2. 図書館のウェブサイト経由でデータベースにアクセスすることが重要である。これによりプロキシサーバーを介してアクセスが保証される [37]。
    3. 検索結果ページで、複数のアイテムを一度に保存する場合は、ブラウザの右上隅に表示されるフォルダアイコンをクリックする [40]。
      1. 表示されたリストから保存したいアイテムを選択し、「OK」をクリックすると、選択したアイテムがZoteroのフォルダに保存される [43]。
      2. PDFが利用可能な場合は、PDFも一緒に保存される [45]。
    4. 個々の記事を詳細に確認してから保存したい場合は、記事ページで記事アイコンをクリックして個別に保存する [47]。
      1. この方法でも、PDFが利用可能であれば一緒に取得される [50]。
    5. PDFリンクがない場合は、「Find Full Text」オプションをクリックして記事をリクエストできる [52]。
    6. ZoteroはGoogle Scholar、図書館データベース、オンラインカタログ、一般的なウェブサイトなど、様々な情報源から文献を収集できる [57]。
      1. アイコンの見た目はページの種類によって異なるが、保存の原理は同じである [60]。
  3. Zotero内での文献管理 [61]
    1. Zoteroデスクトップアプリケーションに戻ると、保存されたアイテムが確認できる [61]。
    2. アイテムの右側には、タイトル、著者名、ページ番号など、Zoteroが取得した詳細情報が表示され、これらのフィールドはすべて編集可能である [63]。
    3. 著者フィールドは、個人名だけでなく、企業や組織名にも変更できる [66]。
    4. 「New Item」(緑色のプラス記号)をクリックすると、オンラインに存在しないメール、インタビュー、地図などのアイテムを手動で追加できる [73]。
    5. 「Magic Wand」ボタン(隣のアイコン)を使用すると、DOI、PubMed ID、ISBNなどの識別子を入力することで、オンラインから著者名や詳細情報を自動的に取得できる [80]。
    6. 既存のPDFファイルをZoteroライブラリにドラッグ&ドロップするだけで、その記事のメタデータを自動的に検索し、引用情報を作成できる [82]。
    7. アイテムを削除するには、右クリックして「Remove Item from Collection」(フォルダから削除するがマスターライブラリには残す)または「Move Item to Trash」(Zoteroアカウントから完全に削除する)を選択する [92]。

2. Zoteroを活用した参考文献リストと引用の作成 [98]

Zoteroの真価は、保存した研究から参考文献リストを生成し、論文執筆中にインテキスト引用を挿入する機能にある。これにより、引用管理が大幅に効率化される。

2.1. 参考文献リストの作成 [98]

  1. コレクションからの参考文献リスト作成 [98]
    1. フォルダを右クリックし、「Create Bibliography from Collection」を選択する [101]。
    2. Zoteroは引用データを特定の形式で保存せず、エクスポート時にスタイルを選択できるため、後で別のスタイルが必要になった場合でも柔軟に対応できる [103]。
    3. 出力モードを「Bibliography」、出力方法を「Copy to Clipboard」に設定し、APAスタイルなどの必要なスタイルを選択する [107]。
    4. クリップボードにコピーされた参考文献リストは、Word、LaTeX、Google Doc、メールなど、テキストを貼り付けられる任意の場所に貼り付けられる [109]。
    5. 貼り付けた参考文献リストに誤りがある場合は、Zotero内で元のアイテムを修正し、再度同じ手順で参考文献リストを作成し直す必要がある [115]。
  2. 個別の記事からの参考文献リスト作成 [121]
    1. フォルダ内のすべてのアイテムではなく、特定の記事のみを参考文献リストに含めたい場合は、Shiftキーを押しながら必要なアイテムを選択する [122]。
    2. 選択したアイテムを右クリックし、上記と同じ手順で参考文献リストを作成できる [123]。

2.2. Wordでのインテキスト引用と参考文献リストの自動生成 [125]

  1. WordへのZoteroタブの追加 [128]
    1. Zoteroをインストールすると、WordのツールバーにZoteroタブが自動的に追加される [128]。
  2. インテキスト引用の挿入 [130]
    1. Word文書内で引用を挿入したい箇所にカーソルを置き、Zoteroタブの「Add / Edit Citation」ボタンをクリックする [130]。
    2. 新しい文書を作成するたびに、使用する引用スタイル(例:APAスタイル)を確認される [132]。
    3. 引用検索バーが表示されたら、記事のタイトルや著者名の一部を入力して検索し、引用したい記事を選択する [134]。
    4. 引用が挿入されると、Zoteroは自動的にAPAスタイルなどの指定された形式でインテキスト引用を生成する [137]。
    5. 引用する記事を思い出せない場合は、検索バーのZボタンをクリックして「Classic View」に切り替えると、Zoteroフォルダの表示から記事を選択できる [140]。
    6. 複数の引用を一度に挿入することも可能である [145]。
    7. Zoteroは、同じ記事が複数回引用された場合に「et al.」を使用するなど、引用スタイル規則を自動的に適用する [149]。
  3. 参考文献リストの自動生成と更新 [154]
    1. インテキスト引用を挿入した後、Zoteroタブの「Add Bibliography」ボタンをクリックすると、論文内で引用した記事のみの参考文献リストが自動的に生成される [155]。
    2. 参考文献リストに誤りがある場合、Word文書はZoteroから情報を継続的に取得するため、Zotero内で元のアイテムを修正する必要がある [158]。
    3. 例えば、APAスタイルでタイトルをセンテンスケースに修正する場合、Zotero内でタイトルを右クリックし、「Transform Text」から「Sentence case」を選択すると自動的に変換される [165]。
    4. ただし、Zoteroは固有名詞を自動認識できないため、手動で修正する必要がある [169]。
    5. Zotero内で修正した後、Word文書を更新(リフレッシュ)すると、修正が反映される [173]。
  4. 引用スタイルの変更 [174]
    1. 論文の提出先が変わるなどして引用スタイルを変更する必要が生じた場合、Zoteroタブの「Document Preferences」から簡単に別のスタイル(例:IEEE)に変更できる [174]。
    2. これにより、インテキスト引用と参考文献リストの両方が自動的に新しいスタイルに更新される [177]。
  5. 今後の展望とサポート [178]
    1. ZoteroはGoogle Docsへのインテキスト引用モデルの統合に取り組んでおり、現在ベータテスト中である [179]。
    2. LaTeXでのインテキスト引用方法については、現時点では利用できないため、図書館に問い合わせることを推奨する [182]。
    3. Zoteroの使用に関する質問やその他の研究に関する質問は、図書館に問い合わせることができる [184]。