1. 読書速度向上のための三宅香帆氏の特殊訓練 [0]

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1.1. 読書速度向上のための「多読・精読・速読」サイクル [1]

  1. 読書速度向上の背景:

    1. 文芸評論家である三宅香帆氏は、仕事柄、本を読むのが速いという特殊な訓練を受けた人物である [2]
    2. 早く読めた方がより多くの本を読めるため、自身の体験談としてどうすれば早く読めるようになったかを伝える [7]
  2. 読書速度向上のための3つの要素:

    1. 大学時代に読むのが速くなったと感じた時期があり、その時に行っていたのが「多読・精読・速読」の3つである [9]
    2. これら3つは順番が重要なのではなく、どれも行うことが大事である [18]

1.2. 第一の要素:多読(量を読むこと) [20]

  1. 多読の定義と効果:
    1. 多読とは、その名の通りたくさん文字を読むことであり、量を読めば読むほど速くなる [20]
    2. 読書量を増やすことで、引っかかる単語がなくなったり、作者ごとの癖が分かってきたりする [21]
    3. 「こういう人ってこういうこと言うだろう」という予測が読書を通じてできるようになる [22]
    4. たくさん読むことは、読書速度向上のための第一ステップである [22]

1.3. 第二の要素:精読(文脈意識の構築) [23]

  1. 精読の定義と重要性:

    1. たくさん読むだけでは不十分であり、2つ目の要素として「精読」が必要である [23]
    2. 精読には、調べながら読んだり、語彙力を高めて分からない単語を減らしたりすることが含まれる [24]
    3. 特に重要なのは、分野の文脈(手)を増やすことである [25]
  2. 分野の文脈の具体例:

    1. 例えば、恋愛小説一つをとっても、韓国ドラマ的展開、日本の月9的展開、青春小説の恋愛もの展開、転生もの恋愛の文脈など、それぞれに歴史やジャンルごとの文脈が存在する [26]
    2. 韓国ドラマで突然の交通事故や記憶喪失といった展開を「韓国ドラマっぽい」と感じるのは、その文脈があるためである [30]
    3. 文脈を知らないと、マイナーな作品やクローゼット向けの作品は分かりづらい場合がある [31]
    4. フィクションだけでなく、社会学などの学問分野にも「こういう人がいて、こういう人がいる」といった文脈が存在する [33]
    5. 作者自身や「なんとなく社会学ってこういうこと言うよね」という文脈が頭に入ると、読みやすくなり、読むのが速くなる [34]
  3. 文脈意識の構築方法:

    1. 学校の勉強的に頭に入れるのではなく、その分野の文献を読むことで理解できる [36]
    2. 最初は分かりやすい人のものを読むことが大事である [36]
    3. 例として、哲学の文脈がなかった頃は読めなかったが、内田樹氏の『構造主義』や千葉雅也氏の『現代思想入門』など、一般向けに書くのが上手な方のものを読むことで、「こういうテンションの分野なんだ」と分かってくる [37]
    4. 文脈ができてくると、難しい人の文章、すなわちクローゼット向けのものも読めるようになる [38]
    5. その結果、「なんだこれ」と思うことが減り、読める面白いものが増える [40]
    6. 文脈ができると、本の選び方も上手くなり、「この本だったらあの辺を辿ればいいんだな」と判断できるようになる [44]
  4. 情報収集と本の選択:

    1. 書店でよく見かける人やTwitterで見る人から入っても良い [45]
    2. Twitterで分かりやすい文章を書いている人のコラムや本を読むという方法も有効である [46]
    3. 最近の例として、中央公論から出た『福音派』という新書を、作者のTwitterでの発信を見て分かりやすいと感じ、読んでみたらやはり分かりやすかったという経験がある [47]
    4. 自身の持つアメリカ文学の文脈や、今まで読んできた新書の知識などを活用しながら読むと、読みやすくなる [47]
    5. 精読とは、内容を吟味しながら読むことであり、ジャンルの文脈を理解することが非常に大事である [47]

1.4. 第三の要素:速読(短時間で内容を把握する気迫) [48]

  1. 速読の定義と訓練:

    1. 最後の要素は「速読」であり、ストップウォッチで測るよりも、とにかく短時間で内容を把握するという「気迫を持って読む」特殊訓練が重要である [48]
    2. 筆者の場合は、大学院生時代に論文を読むことでこの訓練を行った [51]
    3. 論文は1本1本が短いため、例えば「この分野の先行研究の論文は1日2日で全部読む」という自分の中の縛りを作り、一気に読んでいた [52]
    4. この特殊訓練は一般には不要かもしれないが、短編集や分かりやすい新書などを「1日で読み切ってやる」という期限を決めて読むと、非常に速くなる [55]
    5. 卒業論文などで大量の文献を早く読まなければならない学生には、この「1日で読む」特殊訓練が推奨される [58]
  2. 速読時の技術:マーカーと二度読み:

    1. 読む際には、とりあえずざっと読んでざっと理解し、その時にマーカーを引くことが大事である [62]
    2. ぼんやり読んでいると内容が頭に入ってこないため、「面白いところ」や「自分に重要なところ」を決めて線を引く [65]
    3. これにより、大事なところを拾う技術が身につく [68]
    4. 早く読めるということは、文字を追うのが速いだけでなく、少し読んでパッと予想する能力である [70]
    5. 難しい本は、一度に全部理解しようとしないことが重要である [71]
    6. 一度全部読んで、何がどこにあるかを把握してから、もう一度しっかり調べながら読むという二度読みが非常に大事である [71]
    7. 二度読みの際に、文脈意識(「この本はこのジャンルの中のどこなんだ」)を意識していくと、読めるようになり、結果的に速くなっていく [73]

1.5. 読書速度向上の本質と今後の展望 [76]

  1. 読書速度向上の本質:

    1. 読むのが速いということは、小説などでも全てが新しい情報ではないという状態である [76]
    2. なんとなく知っている知識を引っ張り出しながら読むことが、速度が速いということである [79]
    3. そのためには、語彙力もそうだが、文脈を増やすことが重要である [79]
    4. 文脈を増やすとは、その本や小説を読んで「こういう本があったな」と思い出す本が多いということである [79]
    5. 本のジャンル、作者が属しているジャンル、作者が影響を受けている作者などを気にして見てみると、読むのが速くなる [79]
    6. 徐々に読むジャンルを増やしていく中で、読むのが早くなっていく [80]
  2. 結論と提案:

    1. 読むのを早くしたい人は、多読・精読・速読のサイクルを回すことを意識すべきである [82]
    2. 筆者は、この特殊訓練を施す「読書ブートキャンプ」のようなものをいつかやりたいと考えている [84]
    3. 読書は習い事になる可能性があり、ジムのような場所で読書をする文化ができたら良いという夢を語っている [91]
  3. 視聴者へのメッセージ:

    1. 読むコツや悩みがあれば、コメント欄で募集している [98]
    2. チャンネル登録といいねを呼びかけている [99]