1. 決算が株価に影響を与える理由と株価の決まり方 [0]

thumbnail 決算は企業の業績をまとめたものであり、株価を決定する重要な要素であるEPS(一株あたり純利益)とPER(株価収益率)に影響を与えるため、株価に大きな影響を与える。

1.1. 決算の概要と株価への影響 [0]

  1. 決算は年4回発表される [1]
    1. 第1クォーター:7月から8月 [2]
    2. 第2クォーター:10月から11月 [2]
    3. 第3クォーター:1月から2月 [2]
    4. 第4クォーター:4月から5月 [2]
  2. 第4クォーター決算は最も株価が変動しやすい [3]
    1. 第4クォーター決算は1年間の集計であるため、株価が大きく動きやすい [3]
    2. 第3クォーター決算は、第4クォーターに向けて業績のヒントを探る時期として重要である [4]

1.2. 株価を決定する2つの要素:EPSとPER [6]

  1. 株価はEPSとPERで決まる [6]
    1. EPS(一株あたり純利益)とは、企業の純利益を発行済み株式総数で割ったもので、1株あたりの利益を示す [7]
    2. PER(株価収益率)とは、株価がEPSの何倍まで買われているかを示す指標であり、株の割高・割安を判断する際に最も一般的に使われる [8]
      1. PERは「バリュエーション」とも呼ばれる [9]
      2. PERが高いほど割高、低いほど割安と判断される [11]
  2. EPSの計算方法と株価への影響 [16]
    1. EPSは「当期純利益 ÷ 発行済み株式総数」で計算できる [16]
    2. 例えば、トヨタ自動車の場合、1株あたりの利益が272.6円で、PERが10.8倍であるため、株価は2932円となる [18]
    3. EPSが株価の「大元」となるため、EPSが上がれば株価も上がりやすくなる [29]
  3. 割高な株を買ってしまうことのリスク [30]
    1. 多くの投資家は、株を割高な価格で買ってしまい、損失を出すことがある [30]

1.3. 株の割高・割安の判断基準 [31]

  1. 株の割高・割安の感覚を持つことの重要性 [31]
    1. 日常品(例:ペットボトルの水1本5000円)では価格の妥当性を判断できるが、株ではその感覚が曖昧になりがちである [31]
    2. 株で損をしないためには、割高な株を買わない(高値掴みをしない)ことが重要である [42]
    3. PERの感覚を養うことで、高値掴みを避けることができる [45]
  2. 割高・割安の判断方法 [46]
    1. 同業他社との比較:同じ業界の企業のPERと比較することで、その株が割高か割安かを判断する [47]
    2. 金利の状況:金利が低い時期はグロース株(成長株)のPERが高くても許容されやすいが、金利が上がると割高と判断されやすくなる [49]
    3. 市場のトレンドや外部環境:AIブームのように、その年のトレンドによってPERの許容水準は変動する [51]
    4. 割高・割安の判断には決まったルールがなく、柔軟な判断が求められる [54]
    5. しかし、基本的にはPERを見て割高・割安が議論される [55]

1.4. 決算が株価を動かす仕組みの具体例 [56]

  1. ガンホーの事例 [56]
    1. ガンホーの株価は、パズドラのリリース後、1年で100倍に上昇し、時価総額は一時1.5兆円に達した [56]
    2. パズドラリリース後、営業利益は11億円から9200万円に、EPSは14円から7割に跳ね上がり、数年後にはEPSが14円から540円へと38倍に爆発的に成長した [59]
    3. EPSが38倍になったことに加え、PERも期待感から上昇し、株価は100倍まで上がった [63]
    4. このように、期待感から割高な株価でも買い続けられ、最終的に高値掴みにつながるケースもある [67]
  2. 株価上昇の要因 [68]
    1. 株価が上がるには、EPSが上がる(業績が良い)か、PERが上がる(ブームや期待感で割高でも買われる)必要がある [68]
    2. 決算は、このうちEPSを変動させる超重要なイベントである [73]
    3. 決算発表は年に4回あり、株価変動のチャンスとなる [74]

2. 決算の見方と投資への活用方法 [76]

thumbnail

決算は企業の業績を評価し、株価の変動要因を理解するために重要であり、過去のデータや市場の期待値(コンセンサス)と比較しながら、株主還元や流動性などの要素も考慮して分析する必要がある。

2.1. 決算情報の確認方法と注意点 [76]

  1. 決算情報の確認方法 [76]
    1. 「株探」などのサイトで決算情報を見ることができる [76]
    2. 決算発表日には、その期間(例:第2クォーターなら7月~9月)の純利益などが公表される [77]
    3. 決算情報には、前年同期比の増減率も記載されている [81]
  2. 決算分析の注意点:季節性 [83]
    1. 決算には季節性があるため、直前の四半期ではなく、1年前の同じ期間(前年同期)と比較することが重要である [83]
    2. 例えば、チョコレート会社はバレンタインのある2月の売上が大きいため、他の時期と比較しても意味がない [85]
  3. 決算発表のタイミングと株価の織り込み [88]
    1. 決算発表が早い会社ほど、株価の反応が良い傾向がある [89]
    2. 同じ業界の最初の会社の決算が良ければ、他の会社の決算も良いだろうと市場が予測し、株価に「織り込み」が発生する [91]
    3. そのため、後半に発表される会社の決算が良くても、すでに株価に織り込まれているため、株価が下落することがよくある [93]
  4. 株主還元の重要性 [98]
    1. 決算の数字が良いだけでなく、株主還元(配当や自社株買いなど)があるかどうかが株価に大きく影響する [101]
    2. 株主還元が少ない、あるいは期待を下回る場合、株価が売られることがある [102]
    3. 投資家の期待値(事前のコンセンサス)を上回る「サプライズ感」が株価上昇には必要である [104]

2.2. コンセンサスの活用と投資戦略 [106]

  1. コンセンサスの確認 [106]
    1. コンセンサスとは、プロのアナリストたちが予測する企業の業績予想のことである [107]
    2. 楽天証券やFISCOコンセンサスなどで確認できる [108]
    3. 会社が実際に良い数字を出しても、プロの予想通りであれば「知っていた」と判断され、株価が下落することもある [110]
  2. 決算発表後の株価の動き [113]
    1. 決算が良ければ、一時的に株価が下がっても、1~2週間後には上昇することがある [113]
    2. しかし、市場全体のタイミングが悪い場合、決算が良くても株価が上がらないこともある [115]
  3. 注目すべき業種とテーマ [118]
    1. 銀行や保険:金利に絡むため、注目されやすい [118]
    2. AI関連:日本のAI関連銘柄は少ないが、アメリカのAI銘柄は面白い可能性がある [119]
    3. IPK(知的財産):サンリオなどの内需系小売も面白い [120]
    4. インバウンド期待:海外展開している企業はコスト高の影響を受けているため、インバウンド需要に期待できる企業も注目される [123]
    5. キャッシュリッチ企業の株主還元:長期的に株主還元を強化する企業は引き続き注目される [124]
      1. 特別記念配当のような一時的な還元よりも、構造改革による長期的な収益向上と還元が重要である [127]
      2. 業績が良くても株主還元がなければ、株価が上がりにくい傾向がある [129]

2.3. 決算投資のリスクと流動性の重要性 [130]

  1. 決算投資のリスク [130]
    1. 決算発表は株価に大きな影響を与えるため、発表日を確認せずに株を買うと、翌日にストップ安になるなどのリスクがある [138]
    2. 2020年頃から、グロース株の爆発的な成長よりも、配当や大型株の方が長期的に強い傾向がある [131]
  2. 流動性の重要性 [143]
    1. 業績が良いのに株価が上がらない銘柄は、時価総額が低い、または流動性が低い(買い手や売り手が少ない)ことが多い [143]
    2. 流動性が低い銘柄は、自分の資金で株価を大きく動かしてしまうリスクがある [145]
    3. 市場全体が下落した際に、売りたい時に買い手が見つからず、逃げ遅れるリスクがある [145]
    4. 大口投資家は流動性の低い銘柄を嫌うため、買いにくいという側面もある [146]
  3. EPSとPERの変動要因 [147]
    1. EPSだけでなく、PER(期待感)も株価に大きく影響する [147]
    2. 市場規模の懸念やグローバルな影響など、様々な要因がPERに反映され、株価が変動する [147]
    3. 期待感は日々変化し、株価を動かす [148]
    4. 割高・割安の感覚を養うには、多くの銘柄を見て経験を積むしかない [151]