1. True Displacementの基本と事前準備 [1]

1.1. True Displacementの概要と注意点 [1]

True Displacementは物理的なジオメトリをリアルタイムで変更し、リアルな表面の凹凸を作成する機能だが、メモリとハードウェア負荷が増加するため、過度な使用は避けるべきである。

  1. 機能の目的 [1]
    1. True Displacementは、物理的なジオメトリ(形状)を修正し、リアルな表面の凹凸(リリーフ)を作成するために使用される [1]。
  2. 使用上の注意点 [2]
    1. True Displacementを有効にすると、メモリ使用量と全体のハードウェア負荷が増加する [2]。
    2. そのため、単一のシーン内で過度に適用することは避けるべきである [3]。

1.2. True Displacement適用前のUV状態の確認と対処法 [5]

モデルのUVが乱れている場合、True Displacementを適用する前にTriplaner Mappingを有効にし、テクスチャスケールを調整することでUVの問題を迅速に解決できる。

  1. UV状態の一般的なケース [5]
    1. 日常的なワークフローでは、テクスチャやUVに関連する問題に遭遇することが一般的である [5]。
    2. ケース1:モデルにモデリングソフトウェアで適切に準備されたUVがある場合、D5にインポートしてマテリアルを適用した後、追加の調整はほとんど必要ない [7]。
    3. ケース2:モデルが乱れた、または一貫性のないUVでインポートされた場合、テクスチャスケールを正しく見せるためにD5でTriplaner Mappingを有効にする必要がある [9]。
  2. True Displacement適用時のUV問題の対処 [11]
    1. True Displacementを使用する際も、モデルがどちらのシナリオに該当するかを事前に確認することが重要である [11]。
    2. UVが整っている場合:レンガのマテリアルが正しい方向とスケールで表示されるため、Triplaner MappingをオンにせずにTrue Displacementを直接有効にできる [12]。
    3. UVが一貫していない場合:同じジオメトリでもテクスチャが歪んで見える(例:岩のマテリアルが歪む)可能性がある [14]。
      1. この場合、True Displacementを有効にした後、Triplaner Mappingをオンにし、必要に応じてUVスケールを調整することで修正できる [16]。
  3. Triplaner Mappingの役割 [18]
    1. Triplaner Mappingは、モデルのUV問題を迅速に解決するための主要なソリューションである [18]。

2. True Displacementの適用とメッシュ密度の調整 [20]

2.1. True Displacementの有効化と基本設定 [20]

True Displacementを使用するには、マテリアルテンプレートをDisplacementに設定し、ハイトマップをロードした後、アドバンスドパネルでTrue Displacementを有効にする必要がある。

  1. 適用手順 [20]
    1. True Displacementを使用する前に、マテリアルテンプレートがDisplacementに設定されていることを確認する [21]。
    2. その後、白黒のマップをハイトマップスロットにロードする [22]。
    3. 完了したら、右側のボタンをクリックしてアドバンスドパネルを開き、True Displacementを有効にする [23]。
  2. パラメータの出現 [24]
    1. True Displacementをオンにすると、いくつかの新しいパラメータが表示される [24]。

2.2. Subdivision Levelによるメッシュ密度の制御 [25]

Subdivision Levelはモデルのメッシュ密度を制御し、この密度が低いとディテールが粗くなるため、ワイヤーフレームビューで確認しながら徐々にレベルを上げて詳細な変位効果を得る必要がある。

  1. Subdivision Levelの機能 [25]
    1. Subdivision Levelは、モデルのメッシュ密度を制御する [25]。
  2. メッシュ密度の確認方法 [26]
    1. Alt + 1、2、または3を使用して異なる表示モードを切り替えることができる [26]。
    2. Alt + 2を押してワイヤーフレームビューに入ると、現在のメッシュ密度を明確に確認できる [27]。
  3. メッシュ密度が低い場合の影響と対処 [28]
    1. メッシュ密度が低い場合、ハイト値を増やしてもモデルは変形するが、ディテールレベルが制限され、結果が粗く見える可能性がある [28]。
    2. この場合、ワイヤーフレームビューに戻り、Subdivision Levelを徐々に増やしてジオメトリを追加する [29]。
    3. メッシュ密度が高くなると、ハイト値を再度上げたときに、より洗練された詳細な変位効果が得られる [30]。

3. 不均一なトポロジーの修正と高度な調整 [32]

3.1. 不均一なメッシュトポロジーの修正(Remesh) [32]

モデルのメッシュトポロジーが不均一だと変位結果が不安定になるため、Subdivision Levelを上げるだけでは不十分であり、Remesh機能を使用してメッシュを均一な構造に再構築する必要がある。

  1. トポロジーの重要性 [32]
    1. UV問題に加えて、モデルのメッシュトポロジーが均一に分布しているかどうかも重要な要素である [32]。
    2. 一見同じに見えるモデルでも、ワイヤーフレームビューで見ると、左のモデルは不均一なトポロジー、右のモデルはクリーンで均一なトポロジーであることがわかる [33]。
    3. 不均一なメッシュは、特に建築モデルでよく見られる問題であり、変位結果が不安定になったり、品質が低下したりする原因となる [36]。
  2. Remesh機能による解決 [37]
    1. D5内でこの問題に対処するには、単にSubdivision Levelを増やすだけでは不十分である(ジオメトリは追加されるが、トポロジーは修正されない) [37]。
    2. 代わりに、右側のRemeshボタンをクリックすることで、メッシュを均一な構造に迅速に再構築できる [39]。
    3. Remesh後、Subdivision Levelを増やしてディテールを追加し、ハイト値を上げると、クリーンで正確な変位が生成される [40]。
    4. まとめとして、メッシュがすでに均一であればRemeshはスキップできるが、そうでない場合はRemeshを有効にすることが問題を解決する最速の方法である [42]。

3.2. Vertical Offsetによる表面位置の調整 [44]

Vertical Offsetはモデル表面全体のオフセットを制御し、変位によってモデルが外側に膨張したり、元の位置からずれたりするのを防ぎ、元のボリュームに近い状態に戻すために使用される。

  1. 機能の目的 [44]
    1. Vertical Offsetは、モデル表面全体のオフセット(ずれ)を制御する [44]。
  2. 調整の必要性 [45]
    1. 変位ハイトを増やすと、モデルが外側に膨張して見えることがある [45]。
    2. これを補正するためにVertical Offsetを調整し、モデルをわずかに内側に引き込むことで、元のボリュームに近い状態に戻すことができる [46]。
    3. 同様に、道路の例では、マテリアルのハイトを増やすと表面が元の位置からずれるが、Vertical Offsetを調整することで道路を元の位置に戻すことができる [47]。

3.3. Maintain Continuityによる継ぎ目と角のギャップ解消 [49]

Maintain Continuityは、変位によって生じる硬いエッジやUVシーム沿いのギャップを滑らかにし、変位の連続性を維持するために設計された機能である。

  1. Maintain Continuityの目的 [49]
    1. Maintain Continuityは、2つの一般的な問題に対処するために設計されている [49]。
    2. 1つ目は、硬いエッジや鋭い角全体で変位の連続性を維持することである [50]。
    3. 2つ目は、UVシーム沿いの連続性を維持することである [51]。
  2. 硬いエッジでのギャップ解消 [52]
    1. 変位は、各面の法線(表面に垂直な方向)に沿って表面を移動させることで機能する [53]。
    2. その結果、面取りされていないエッジや角では、ハイト値を増やすと目に見える亀裂が発生する可能性がある [54]。
    3. この場合、Maintain Continuityを有効にするだけで問題が修正される [55]。
  3. UVシームでのギャップ解消 [56]
    1. 円筒形のオブジェクトにテクスチャを適用する場合、UVシーム(継ぎ目)は避けられない [57]。
    2. テクスチャが完全にシームレスでない場合や、タイリングが整数で揃っていない場合、そのシーム沿いに目に見えるギャップが現れることがある [58]。
    3. 変位ハイトを増やすと、これらのギャップがさらに目立つようになる [59]。
    4. このような状況では、Maintain Continuityをオンにするだけで、すべてを迅速に滑らかにすることができる [60]。

4. D5におけるTrue Displacementの推奨ワークフロー [61]

4.1. 問題を抱えるモデルに対する推奨手順 [61]

D5で変位マテリアルを使用する際、UVの不正確さ、トポロジーの乱れ、鋭いエッジなどの問題がある場合は、特定の順序で設定を適用することでクリーンでシームレスな結果を得ることができる。

  1. 推奨ワークフローの開始 [61]
    1. モデルに不正確なUV、乱れたトポロジー、鋭いエッジなどの問題がある場合、以下のワークフローが推奨される [61]。
    2. まず、マテリアルを適用し、True Displacementを有効にする [62]。
  2. UVとエッジの修正 [63]
    1. UVが正しく見えない場合は、Triplaner Mappingをオンにし、必要に応じてテクスチャスケールを調整する [63]。
    2. モデルに鋭いエッジがある場合は、Round Cornerを有効にし、半径を調整して面取りされた外観をシミュレートする [64]。
  3. トポロジーとディテールの調整 [65]
    1. 不均一なメッシュトポロジーの場合は、Remeshをクリックし、ワイヤーフレームビューに切り替えて必要に応じてSubdivision Levelを増やす [65]。
    2. 次に、ハイト値を調整して目的の表面の凹凸を実現し、Vertical Offsetを微調整してギャップを最小限に抑える [66]。
  4. 最終的な仕上げ [67]
    1. 最後に、クリーンでシームレスな結果を確実にするために、Maintain Continuityを有効にする [67]。

4.2. 結論:最良の結果を得るための原則 [68]

D5のTrue Displacementは多くの問題に対処できるが、最良の結果は常に適切に準備されたモデルから得られる。

  1. モデル準備の重要性 [68]
    1. D5のTrue Displacementは多くの特殊なケースに対する解決策を提供するが、最良の結果は依然として適切に準備されたモデルから得られる [68]。
  2. チュートリアルの完了 [69]
    1. これでチュートリアルは完了であり、D5でTrue Displacementを試して作品を共有することが推奨される [69]。